愛の終わり。
昨日、息子は、無事に出て行った。
パワフルな引越し屋さん2名、そして何よりも、夫の力が大きかった。
バカ息子は、あれもこれも、後から自分で運ぼうと考えていたらしい。
しかし、そうすると、大量の物が、いつまでも片付かずに残されてしまう。
それを見越した夫が、次々と、手当たり次第に、段ボール箱に詰めた。
そして、次々と、引越し屋さんに渡したのだ。
私も、箱詰めを手伝おうとした。
しかし、息子が自分で取捨選択したい素振りを見せたので、手を出すのをやめた。
それで、台所にこもり、夕食準備に熱中した。
最後に、息子が玄関ドアを開けて出て行った。
ドアが、バタンと閉まる音がした。
私は、その音を、背中で聞いていた。
途端に、私の脳内で、
ジュリーの「勝手にしやがれ」が、大音量で鳴り響いた。
続いて、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」。
三善英史の「雨」。
五木ひろしの「よこはまたそがれ」。
4曲が、交代で鳴り響いた。
あー 💨 💨
フラれた歌ばっか … … 😢
20数年前、生後2ヶ月の息子が、初めて笑った。
その笑顔を見て、私は、この子が笑顔でいるように生きて行こう、そう心に誓った。
そして、がんばった。
この20数年の月日は、私にとって、人生初の「努力の日々」だった。
けれど、それは、すこし、長過ぎた…。
バカ息子は、子ども時代も、思春期も、私にベッタリ甘えていた。
けれど、思春期を過ぎ、息子は、突如、猛烈に変身した。
「遅すぎた大反抗期」に、突入したのである。
それは、激しかった。
私は、仰天し、動転し、言葉を失い、地になぎ倒された。
「思春期は、親なんか敵!」
「反抗期の最後の特効薬は、ひとり暮らし!」
私は、辛うじて、そんな言葉にすがり、心を支えた。
そして、昨日…。
やっと、巣立ちの日が来た。
普段、私は、カラオケはニガテだ。
けれど今は、無性に、「津軽海峡冬景色」を、熱唱したい。
最愛の相手は、私から去った。
ワタシも、「帰る」のだ。
20数年前の、息子が、この世にまだ存在しなかった時代へ。
私が、 ひとり だった 時代へ…。
ひとり に 帰る。
ひとつの「愛」が、終わった…。
あれッ…、
…まだ、夫がいたわ…。
結婚後、すぐに息子を授かり、夫との2人暮らしは、短かった。
これから、
夫との 新しい生活が、はじまる…。
あー …
ぜんぜーん、トキメかないわぁー (^_^😉