すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

1%でよいから、関わりを

ガザで、
医療奉仕を続けている
医師の話を聞いた。






悲惨な話を聞くと、
後で辛くなるので、
あまり気が進まなかった。





しかし、
めったにないチャンスなので、
聞いた。








映像・文章で
伝わらないのは、


ガザの「悪臭」だそうだ。







人口に比して、
圧倒的に
トイレが少ない。






だから、
「汚染固形物」=「便」が
あちこちに
あるそうだ。





しかし、
その悪臭にも、
「3日くらいで慣れます」と、
おっしゃっていた……。






水も不足しているため、


「不潔」が原因の
病気も
多発しているそうだ。







それから、
人口の半分近くが、
14歳以下の

子どもだそうだ。






つまり、
出産が
多いらしい。






避妊具が入手できず、
中絶も無理なので、


次々と
妊娠し、
出産するしかないのではと
想像される。





女性が、大変だ。







更に、
麻酔剤が
不足している。






麻酔なしの
帝王切開、


麻酔なしの
負傷した手足の切断が


日常だそうだ。






生き地獄ガザ…
と言われるが、


本当なのだ……。







イスラエルが
食糧搬入を

阻害しているため、
今、

ガザでは、


飢餓が
始まっているらしい。







イスラエル、
及び、

バックにいるアメリカは、


ナチスが
ユダヤ人に
やった以上の
悪行を
今、している。







イスラエルでは、
カザに住む人々を、


「ヒューマン アニマル」
「人間の皮をかぶった動物」であると


みなす
洗脳が
されているそうだ。






また、
自分たちイスラエル人は、


「神から選ばれた者」、
「特別な存在」だと
考えるため、


ガザの人々を
いくら

迫害しても


心が、全く
痛まないらしい。






日本人も、
78年前まで


日本は、「神の国」だと
宣伝し、


国民を
洗脳していた。






「鬼畜米英」とも言い、


敵のアメリカ人・イギリス人を
人間以下の
「鬼畜生」と
みなしていた。







どこの国も、
戦争を始めると、


自国民を
必死に

洗脳するのだ。






平時は
「殺人は悪」だが、


戦時においては、
敵を
殺せば殺すほど、
「英雄」になる。







最後に、
先生は



「生活の1%でよいです。
ガザと
関わって下さい」と


おっしゃっておられた。







一人ひとりの力は
小さくとも、
数が集まれば
大きな力に

なるのだ。







私は、
無力感に
打ちのめされながらも、


募金箱に
少額を入れた。





夫は、
先生のご著書を
1冊、買った。






2,000冊売れれば、
赤字が

出ないそうだ。



「3,000冊売れれば、
有難いのです」とも
おっしゃって

おられた。







帰宅し、
お茶を入れ、

おやつを食べた。







ガザに
生まれてしまい、
今、

飢えている子どもたち。






次々と
生むしかない、
今、

飢えている
女性たち。







そして、
無力を

かみしめながら
おやつを

食べる私と夫……。







みんな、
おなじ
人間だ。








先生は、
少しも

偉ぶらず、


腰が
本当に軽そうで、


バイタリティーに
あふれた方だった……。







あの先生こそ、

人間の皮をかぶった
天使だ……。






決して、
特別な
感じの方ではなかった。






どこにでもいそうな、
初老の、


しかし、
知的で、
誠実で、
努力の塊のような
方だった……。