涙が乾くまで…
「愛別離苦」という言葉がある。
深く愛した相手と、別れる辛さ…
特に、熱愛する相手から、一方的に捨てられる辛さ…
その悲しさ辛さ苦しさを歌った歌は、本当に多いなぁ…と、今回、実感した。
反対に、愛が冷め、相手を捨てた側は、スッキリするので、歌わずとも済むようだ…。
息子の場合は、母の私を捨てて、
新しい、「大人の男」として旅立って行くのだ。
彼にとって、必要な成長の節目なのだ。
野生動物の親は、子どもが自分で餌を取れるようになったら、子どもから去るそうだ。
子どもが追いすがってきたら、追い払うそうだ。
人間も動物なのだから、基本的に、そうでなくてはならない。
人生は、諸行無常。
永続することは、何もない。
子は、成長し、ひとりの大人になり、親から距離をおく。
それが、正当な変化だ。
息子をあんなにも愛したのに、あんなにも嫌われたことが、
私は、とても悲しい。
けれど、仕方がないのだ。
…あきらめよう。
私にベッタリ張り付いているよりも、
独り立ちすること、これが何より重要なのだ。
人間の成長にとって…。
息子が、当り前の成長を遂げつつあることを、
私は、もっと喜ばねばならないのだ…。
嫌われたのは、仕方がない。
息子は、私と、たぶん、相性が合わないのだろう…。
あきらめよう。
そのうちに、涙も乾くさ…。