すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

残り少なくなった梅干し

2年前、
紀州の梅農家から、
梅干しを買った。





塩分20%の、
昔ながらの

しょっぱい梅干しだ。





しかし、
一晩水に漬け、
塩抜きするだけで、
とても食べやすく、
美味しい梅に

変身する。






私自身は、
梅干しを
時々しか食べない。






しかし、
夫は昔、
通勤中に聞いていたラジオ番組で、
「梅干しが身体に良い」と
洗脳されたらしく、


毎朝欠かさず、
大きいサイズの1/2個を

食べている。





ご飯茶碗に、ご飯を盛り、
その上に
納豆、キムチ、梅干しを
山盛りに乗せ、
一気に、がっつく。






そんな食べ方では、
「この梅干しの

微妙な香り・美味しさは解るまい」と
私は
内心呆れているのだが……。







その夫の習慣のせいもあり、
2年前「安いから」と、
5キロ買った梅も、

とうとう、
残り1キロほどに

なってしまった……。







梅農家直送の梅干しは、
3軒目だったが、


現在のが、

一番安かった上、
最高に美味しい。






梅自体の品質が良いのか?


塩だけのシンプルな作り方が良いのか?





香りが素晴らしく、
「梅はフルーツだ」と
ハッキリと

解らせてくれるのだ。







その香りに魅せられた私は、
「また、買えるかな?」と、
久々に
HPを覗いてみた。






そして、愕然とした。






なんと、
今年はどうやら、
「梅」のみの販売だったようなのだ。




「梅干し製造販売」は、
やめてしまったようなのだ……。







HPに顔を出しているご主人は、
まだお若く、
せいぜい、40歳くらいか?






だから、
あるいは、
一緒に仕事をしていた

ご両親が高齢で引退し、
「梅干し製造」までは、

手が回らなくなったのかも?と


私は
想像した。







今残っている1キロほどの梅は、
塩を吹いて、

すっかり
しぼんでいる。





一見、惨めな外見だ。






しかし、
水に漬けただけで、
香り豊かな美味しい梅干しとして、
しっとりと

蘇ってくれる。








夫に、以前、
「この梅干し、

香りが素晴らしいよね?
フルーティーだよね?
分かる?」と
尋ねてみたことがあった。




夫は、
「えっ?」と驚き、
「ウーン?」と、
要領を得ない返事をした。





つまりは、
夫は、
この梅干しの素晴らしさが
解っていないようなのだ。






そもそも、夫は
若い頃から、
かなりの「慢性副鼻腔炎」のため、
嗅覚が

弱かった。





その上、
入院して手術を受け

副鼻腔を
ガリガリと引掻かれてからは、
更に
嗅覚がダメになった。






私は、夫を
「嗅覚障害者」と

呼んでいる。






彼が解る匂いは、
カレー、コーヒーくらいだからだ。






そして、
味覚の大部分は、
実は
嗅覚に負うところが大きい……
と知ってからは、


実は、夫は
「味覚障害者かも……」
私は
疑っている。






そんな夫に、
残り少なくなった貴重品を
毎朝、消費させるのは、
実に

もったいないではないか……?







しかし、
私は以前、
夫に、
「添加物いっぱいの、
安い梅干しなんか、
不味くて食べられないよね?」と、


同意を

求めてしまったことがある。





彼は、
内心は解らないが、
頷いていた。







それなのに、
今更、
添加物満載の

安い梅干しを買ってきて、


「これ食べて」とは
とても言えない。







私は、ネット検索した。






やはり、
農家製造直売の梅干しは、
高価だ。






○マゾンに、
1キロ2,500円の、
塩分20%の梅干しが

あった。






今食べているのよりは、
高価だが、
とりあえず

買ってみようかな。






そして、
食べ比べ、
味や香りが落ちる方を
夫に

食べさせよう。 ヒヒ(^_^;





そして、
美味しい方は、
私の秘蔵品として、

ちびちび食べればよい。







ネットに、
「干さなくても良い梅干しの作り方」も
載っていた。






来年は、
思い切って、
完熟青梅を買い、
自分で

漬けてみようかなぁ……。