味音痴
冷蔵庫をチェックすると、揚げとキャベツが残っていた。
キャベツと揚げで、近頃よく作るのは、「ゴマ酢和え」だ。
しかし、さすがに飽きたので、ネット検索して、新メニューにチャレンジした。
「オイスターソース炒め・ニンニク風味」。
全く初めての味だ。
夕食後、最近いつもしているように、夫に「美味しかった?」と、尋ねてみた。
夫が、これまた、いつものように「美味しかった」と答えたので、
「何が美味しかったの?」と、具体的に聞いてみた。
すると、まず予想通り、「焼き鯖」の皿を指さし、「美味しかった」と答えた。
それから、「長芋と椎茸のベーコン炒め」の皿を指し、「これも、工夫されていた」と答えた。
続いて、
「これもアナタがよく作るけど、美味しかった」と指したのが、
「キャベツと揚げのオイスターソース炒め・ニンニク風味」。
驚いて、
「えっー ❕ ❓ それ、今日、初めて作ったんだけど…」と言うと、
夫は、「あれ?そうだっけ?」と、平然としている。
確かに、見た目は、似ていた。ソックリとも言える。
しかし、味は、
「ゴマ酢和え」と、「オイスターソース炒め・ニンニク風味」なのである。
和風と、中華風。
甘酢味と、ニンニクの香りのオイスターソース炒め。
はあー … 💨 💨
夫が自発的に「これ、美味しい」と言う物は、「甘い物」オンリーであることは、私も気づいている。
実は、味覚の大部分は、嗅覚に負っているそうだ。
だから、慢性副鼻腔炎のため嗅覚が鈍い夫は、味覚も鈍いのも承知している…。
しかし、まさか、これ程に味の異なる料理を、「同じ」と認識するとは… … 💨
つまり、夫は、「素材と見た目が同じ料理」は、「同じ料理」と認識するのだろうか ❓
今後は、夫に対しては、
単純に、煮たり、焼いたりして、
醤油、マヨネーズ、ソース、ドレッシングなどをかけて出すだけ …
で良いのかも知れないなー
と、思った…。
素材さえ変えれば、それで良いのかも …。
あれこれと、手を加えても、「ムダ」なのかもなー … …
ただ、私も同じ物を食べるわけだから、
やはり、そういうわけには行かないよなー … … 💨 💨
私の父の、数少ない美点は、
(数少ないというより、唯一だったかも知れない…)
母の作った食事を食べる際、
「旨いなあ ❕ 」と大いに喜び、賛辞を惜しまないことだった。
あれだけ賞められれば、母も作り甲斐があったろう。
母の料理は、煮たり焼いたりしただけのシンプル料理が多かったが…。
一方、私の夫は、いつも黙々と、ガツガツと、アッという間に食べ終える。
玩味も情緒も余韻も、あったものではない。
結婚当初など、夫は、食事のことを「エサ」と呼んでいたほどだ。(>_<)
最近、私はそれを思い出し、
ワザと「昼のエサが出来たよ~」と呼んでやると、
夫は、さすがにイヤな顔をしているが…。
結局、「味音痴」のために、食事の醍醐味を味わえていない…。
美味しいと感じられるのは、ほぼ「甘い物」だけ … 。
そういうヒトと、私は結婚し、
毎日毎日、3食をセッセと作り、
毎度毎度、向かい合って二人きりで食事しているのだ … …
(´。`)
※食べ放題には、夫とは行かないと決めている。
食べ放題に行くと、夫は、狂ったようにガツガツと食べまくり、見ていて気分が悪くなるからである。
「千と千尋の神隠し」での、豚になった両親のガツガツした浅ましい下品な食べっぷり…あれと同じなのだ…。
回転寿司でも、事前に、「今日は何皿まで」と釘を刺しておく。
そうでもしなければ、やはり、狂ったようにがっつき、同席している私の気分が悪くなるからである。