すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

ビデオデッキ

息子が、
「ビデオデッキの機能が一部壊れたから、修理に出したい」と言ってきた。


私は普段、ビデオを殆ど使っていない。
だから、即座に「いいよー」と返事した。


夫も、「じゃあ、2台目のビデオを使うしかないなー」と、不承不承同意した。



ウチでは、テレビとビデオのハードユーザーは、夫と息子である。


夫は毎夜、ドラマや映画を2.3本、録画し、翌日見る。
それで年中、息子に、「空きが少ないぞ、急いで何とかしろ」と言い続けている。


息子は、プロ野球ファンなので、シーズン中は試合を長時間、録画する。
オフシーズンは、野球選手が出演したバラエティ番組などをせっせと録画する。
そして、それを後から編集して短くし、ハードディスクに残す。
サッサとDVDへ移せば良いのだが、ものぐさな息子は、なかなかやらない。
そのため、ハードディスクの容量の空きは、いつも少ないのだ。


その結果、夫と息子は、録画時間の「空き争い」を、常に演じている。


私も稀に、見たい番組があり、録画する。
しかし、雑事に取り紛れ、見ないでいるうちに、
夫と息子の「空き争い」が勃発する。

夫が怒り出し、争いが緊迫して来ると、やむなく私が介入する。
私が未見の録画を消去し、「空き」を提供するのだ。
それが我が家では、もう恒例化している



さて、息子に、「いつ、修理に持って行くの?」と尋ねると、
「今、これから」と言う。


「ああ、そう」と答えると、
息子はビデオデッキに近づき、
中腰でかがんだ姿勢になり、ビデオデッキを見た。


しかし、そのまま石になったように、動かなくなった … 。


超不器用な息子は、
どうやら、どうビデオデッキの配線を抜いたものか ? … 
皆目見当も付かず、立ち往生したらしい …。


…(´。`)


側で見ていた夫が、「どらーっ」と、一声発した。
そして、ビデオデッキの裏に回り、配線を何本か、パッパッとひっこ抜き、
ビデオデッキを持ち上げ、息子に「そらっ」と渡した。


私は、
「ビデオは、二人が使っているんだから、二人に任せよう」
「二人で全部解決してもらおう」と考え、
一抹の不安を感じつつも、一部始終を黙って見ていた。



そして、翌朝。


2台目のビデオで、昨夜録画したつもりのドラマを見ようとした夫が、
「畜生!録画されてない!」と、怒ってわめいた。


それを聞いた私は、「やれやれ、案の定だわ…」と、暗い気持ちになった。


しかし、
「とにかく、私は使ってないのだから、使っている本人に解決させよう。困れば、夫が自力で何とかするはずだ」と考え、聞き流した。



ところが、次の日の朝、
またもや、同じシーンが繰り返されたのである … 。


今度は、夫はさすがに、ビデオデッキの裏に回り、配線を見た。


しかし、立ったままで、1メートル先から眺めているだけ … である。
しゃがみこみ、顔を近づけてじっくり調べようとはしない。


そして、ナント (゚∀゚)
こう宣言したのである。

「業者を呼んで、業者に配線してもらう!」


私は、「げーっ、そう来たか…」と、絶句した。(´。`)


1本や2本のコードで業者を呼ぶなんて、出張料も取られるし、異常に高くつく。


第一、赤っ恥ではないか ❕ ❕ 
いい年のオトナが3人も揃っていて… (~_~😉




私は仕方なく、ビデオデッキの裏に回り、床に座った。


ゴチャゴチャした配線コードを、じっくりと見た。


機器は、テレビ、ケーブルテレビのチューナー、ビデオデッキ、この3つだけだ。
しかも、全ての配線が外されてしまったわけではない。
つながれていないコードは、数本に過ぎない。


これなら、ワタシでも何とかなる…と思った。


慎重に観察した結果、プラグと差し込み口の形には、いくつか種類があり、
プラグは、それと同形の差し込み口につなげば良い、と分かった。


すなわち、丸い形のプラグは、丸い差し込み口につなぐ!



それさえ分かれば、もうカンタン!


プラグを差し込み、電源をオンにし、試しに録画してみると、
録画可能となった。




パソコン画面を見ている夫に、意気揚々と、「出来たよー!」と告げた。


夫は、私ほど喜ぶ様子もなく、アッサリ「ありがとう」と答え、
相変わらずパソコン画面に見入っていた … 。




やれやれ … 💨 💨


実は、私は、かなりの機械音痴である。


その私を、上回るのが、夫なのである … 💨


電話やファクスや携帯も、夫は、使いこなせない。
教えても、なかなか覚えない。


前にも書いたとおり、夫は認知症ではない … のだが … 💨 💨 
(´。`)




※賢い親ならば、子がもう幼児ではないのだから、子にコードの外し方を見せて、外し方を教えるだろう。そして、配線の復元が難しそうだと思ったら、写真を撮り、元の配線を記録しておくだろう…。


…そうすれば良かったんだ…と、私は、反省した。


しかし夫は、こういう反省は、全くしない。
(もし、私が指摘すれば、怒り出す。)


だから、夫自身も全く成長しない。
そして、父としての息子への教育も全く出来ていないのである … 。


嗚呼ッ 😢