すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

年末最後の買い物

夫の靴を買いに、
夫と出かけた。






昨日、
夫が
道を歩いている途中、


突然、
靴の前の部分が、
パカッと口を開き、
チャップリン状態に
なってしまったのだ。






もう古い靴なので、
シーズン初めに、
私は

買い換えを勧めていたのだが、
夫が、
なぜか、ウンと言わず、
そのままになっていた。







店に入り、
運良く、すぐに
適当なのが見つかった。






私たちは、
別々の方向へ歩いて行ったのだが、
別々の場所に陳列されていた
同じ靴を見て、
2人とも、
「これが良い!」と思ったのだ。







なーんだ、
これなら、

私がついて来なくても、
夫1人で来させても、

大丈夫だったな……
と、
私は思った。







そもそも、
たかが靴1足買うのに、
なぜ、
妻が

付き添わなくてはならないのか?






それが、私には、分からない。






夫は、呆けてはいないのだ。







しかし、
なぜか、夫は
私が一緒に来ることを
当然視している様子だった。






だから、
夫の機嫌を損ねないよう、
私は黙って、
ついて行った……。







私は、人混みが嫌いだ。







歳末の店内は、
予想通り、人でいっぱいで、
私は

ゲンナリした。







夫も、
人混みが嫌いだから
靴を買うと、
すぐに
店を出てくれた。







そこだけが、良かった……。