すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

夫への苦言

●●夫への苦言・その1●● 





食洗機に
食器を出し入れするのは、
夫の担当だ。


 



夫は、
私より、
食べ始めるのも
食べ終わるのも早い。 




早食いなのだ。



 


そして
夫は、
食べ終わると
即、
自分の食器を下げる。


 



続いて、
まだ食べている最中の私の
カラになった食器も
下げる。





 私は、
食べている途中で
食器を下げられるのは、
イヤだ。 





せっかく
自分のペースで食べているのに、
せき立てられている気がする。





 食べ終わってカラになった食器たちを見ると、
「あー、食べた、食べた」
という満足感が湧くのだが、


その空っぽになった食器たちが
途中で
消えてしまうと、


「あれ?
ワタシ、何、食べたんだっけ?」
という気持ちになり、



満足感も
半減する。 





しかし、
セッカチな夫は、
「食器を下げる」という行為を
まとめてサッサとやってしまいたいらしい。



だから、
今までは、
私が
ガマンしていた。





 でも、今日
ふっと、
ガマンするのが
バカらしくなった。




 
それで、夫に言った。 




「私、
食べている最中に
食器を下げられるのは
イヤだから、やめて。」



 
夫は
ムッとして、「分かった」と
怒った声で
言った。





 あーあ! 



どーして、
 「ああ、ごめんね。
今まで、気がつかなくて」って、
 言えないんだろ?





 まあ、
小学生か中学生の精神年齢のヤツには、
言える筈のないセリフだ。





 こんなに精神年齢の低いヤツと
結婚した私が、
バカなのだ…。 









●● 夫への苦言・その2●● 






私は
毎日毎日、引越し先を求め、
ネットでの
物件漁りを続けている。




実際に、
かなりの数の物件も
見た。




 
おかげで、だいぶ目が肥えてきた。





 要するに、
どの不動産屋さんも言っていたとおり、
3LDKは
とても少ないのだ。




 
2LDKが多い。



 


普通なら、
夫婦2人なのだから、
2LDKで
間に合う筈だ。






ところが、
夫が
巨大な本棚を
3つも
引越し先に置きたいと
主張している。





 だから、
その3つの本棚を置くために、
部屋が
もう1つ
余分に必要なのだ。 





もし、
これが2LDKならば、
物件もたくさんあるし、
予算もオーバーしない。




 



私は、
ふと、ひらめいた。


 


夫に言った。




「本棚は2つにして、
残りの本は、
段ボールに入れて積み上げるか、
トランクルームに預ければ良いんじゃない?」





 夫の顔が、
瞬時に曇った。




 表情が
すっかり暗くなり、しょげかえった。 




 
それを見た私は思わず、
夫が
可哀相になった。




 そして、
慌てて
言ってしまった。 





「あっ、今の、取り消す。


やっぱり、
本棚は
3つでいいよ。」






 
……そうは言ったものの、
あきらめの悪い私は、
心の中で、
まだ
グジグジと思い続けている。 






 ……普通のダンナさんは、
巨大な本棚を
つも持っていない。




 夫は
欲張って
3つも
引越し先に置こうとするから、



適当な物件が
見つからないし、
カネも
余計にかかるのだ。 





カネもないくせに、
なんて
ワガママなヤツなんだ。




 
ワガママ言いたいなら、
もっと
カネ稼げよ。



 
稼げないんなら、
分相応の、
ビンボー人らしい行動をとれよ。




 あきらめて、
本を
サッサと処分しろよ。




 どーせ、
これから七十路にさしかかり、
今より
もっともっと
読書量が
減るんだぜ。




 
デカイ本棚3つ分の本なんて、
死ぬまでに
読める筈がないだろ。





 読めるなら、
もう
とっくに読んでるサ。




 
どーせ、
大部分が
「積ん読」で終わるんだぜ!




 
おまけに、
こんなに
私に
迷惑をかけておきながら、
謝りもしない。




 平然としている。




 
もう、うんざりだぜー!! 





バッカヤロー!!!