すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

夫の性格

保健所からの電話に対して、

夫は、「咳が1週間続いていた」にも関わらず、
それを伏せてしまった。


「無症状です」と、答えてしまった…。



もし、「咳」の件を、正直に話していれば、
すぐにPCRを受け、とっくに結果も出て、
この宙ぶらりんな、不安な数日間を苦しく過ごさずに済んだ筈だ…。



しつこい私は、
そんな事を心の中で、プリプリグダグダ考えている。




考えているうちに、過去の夫の言動を思い出した。



夫は過去、TVをだらだら見て夜更かしすることが多く、
そのための睡眠不足から風邪を引きやすかった。


それに気づいた私が夫を注意して早く寝させるようにしてから、
夫の風邪は激減した。)



そして、夫は風邪を引くと、
すぐに内科クリニックへ行って薬を貰いたがった。



「ウィルスは薬では撃退できない。
抗生剤の多用は、身体に良くないんだよ」
と、私が言っても聞かなかった。



引越し後、かかりつけのクリニックが遠くなって行けなくなり、
ある日、夫は近くの別なクリニックへ行った。


すると、
「今日はヒドイ目に遭った!」と、腹を立てて帰って来た。



話を聞くと、こうだった。


「前のクリニックでは『風邪です』と言うと、
すぐにいつも同じ薬を出してくれた。


ところが、今日行った所は、『風邪です』と言ったら、
怒られた。


『それじゃ分からん。どうしたのか言いなさい!』
って言うんだ。


医者が厳し過ぎるんだよ。


それで、他の患者の話を聞いてると、
確かに皆、『どこがどうした』って、

細かく色々と言ってるんだよな~。」



それから、夫は2度とそのクリニックへは行かなかった。



私は内心呆れた。


「前の医者がいい加減過ぎただけ。


今度の医者の方がまとも。


それにしても、なんで、自分の症状を言えないの?


子どもじゃあるまいし…情けないな~」



しかし、これを口に出せば、必ず夫は怒って喧嘩になるだろう。


私は黙っていた。




そして今、私は、夫の父親を思い出す。



夫の父は、80歳頃に、前立腺癌になった。


そのため通院していたが、
同居していた夫の妹によれば、こういう状況だった。



「父親は、受診しても、
言われた事をハイハイと聞いて帰って来るだけ。


自分が疑問を持っていても、全く口に出せないまま帰って来る。


それでは困るので、私が質問メモを書いて持たせ、
それを見ながら質問させている。」




夫の父は、87歳で胃癌のために亡くなった。


胃の不調を訴えて検査すると、「余命2ヶ月」と宣告された。


内臓全体に癌が広がっており、
実際に亡くなるまで、わずか、ひと月だった。




夫の父は、前立腺癌の薬を長く服用しており、
その副作用のための「食欲不振」「胃の不調」だと、

ずっと思い込んでいた…そうだ。



そして、その間、「ピロリ菌除去」も受けたにも関わらず、
一度も胃カメラを受けなかった…そうなのである…。




夫の父は、家庭では、気性の荒い人だった。


しかしその反面、外では、かなり小心で臆病な人だった。



夫は、そういう父親の性格も、かなり受け継いでいる。



結局、
夫の妙な「気後れ」も、「遺伝」なので、

どうしようもない…のだろうか??




しかし、妙な性格が原因で
父親のような命の落とし方は、絶対にして欲しくない…



私は、そう切に願っている…。