すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

本日の煩悩費用 (>_<)

ビタミン入りゼリーを沢山買って、息子に宅配で送ろうとして、
ふと気づいた。




「アンタは絶対、部屋に来るな」と、私は息子に言われた。


しかし、夫は言われていない。


つまり、夫が、息子の玄関先まで届けても良いのだ。



車で少しの距離なのだから…。


もし不在なら、宅配ボックスに入れれば良い。




そして、ついでに、食事を先日のように作って、
使い捨てパックに詰めて、渡せば良いのだ。


息子が帰宅した時に、「持ち帰って」と頼んでも、
たぶん息子は、「要らない」と拒否するだろう。




…渡したところで、殆ど食べずに捨てるだけかも知れない…。



しかし、それでも良いではないか…。



息子が栄養失調になるのを、黙って見ているより、
自分に出来ることをした方が良い。



それで、ダメなら、仕方がないさ…。



私の勝手な自己満足で、息子には迷惑なだけかも知れない…。


これまで私が散々して来た、「余計な手出し」をしているだけかも知れない…。



そんな、大きな迷いはあるのだけれども…。




・豚肉・ナス・ピーマン・タマネギの味噌炒め
・ホタテ・インゲン・椎茸のオリーブオイル焼き

ほうれん草・しめじ・ちくわの和え物
・枝豆・シラスの卵焼
・ニンジン・レーズンマリネサラダ
・ミニトマト
・りんご・なつみ(手でむけるみかん)


それに、レトルトご飯・みかんジュース。




…夢中で準備しながら、ふと気づいた。



息子は、私にとって1人息子であるだけではない。


私の父母・夫の父母にとって、唯一の孫である。


夫のきょうだい達にも、私の兄達にも、子はない。


私の兄の1人息子は、まだ学生のうちに自死した。
(兄は、心不全と偽っているが)



つまり、私の息子が子を残さずに死ねば、
私と夫、その親たちの血筋は、そこで絶えるのだ。




つまり私は、
人間の2大本能の1つ、「種の保存本能」に、突き動かされているのだ。


それで、こうして息子のために料理を作っているのだ…。




本能にあらがうことは、難しい。


私は、動物なのだから…。




…そんな「言い訳」を思いつきながら、
私は、息子への「過保護」の道を突き進んだ  … 。



そして、袋に詰め終えたところで、
息子に、「何時頃在宅か?」をメールで問い合わせた。


しかし、案の定、返事は来ない。




やむなく、夫の車で、息子のワンルームマンションへ向かった。


やはり、息子は留守だった。





宅配ボックスへ、夫が次々に品物を入れ、
「何番にする?」と、暗証番号を尋ねてきた。



息子の誕生日の4ケタを答え、
宅配ボックスの扉を閉め終えた夫の手元をふと見て、
私は、ギョッとした。



夫は、
扉を閉め終えてから、息子の誕生日の4ケタを合せているではないか … !!



「あ゛あっー?!閉める前の番号は分かってるの?」と、悲鳴を上げ、
「開けてみて!」と、叫んだ。




時、すでに遅し…。


夫は、開けることが出来なかった … … 。



「宅配ボックスの仕組みも知らなかったの?
知らないで、閉めたの?」と、
私は思わずカッとなって叫んだ。


矢継ぎ早に
「今まで、宅配ボックスを開けたことはあるけど、
閉めたことはなかったの?」と詰問した。


夫は、「そうだ!」と、憤然として答える。



「でも、普通、開けたことがあるなら、仕組みを考えるでしょ?」と、
私も興奮して言いつのった。


夫も、謝るどころか逆ギレし、怒り始めた。




その夫の態度を見て、私の怒りは沸点に達した。


「なぜ、謝らないの?謝りなさいよ!」と、
大声で怒鳴った。



夫は興奮してあたりを歩き回っていたが、
私の近くへツカツカと歩み寄り、
「すみませんでした!」と、

なおも逆ギレした態度で繰り返した。



夫は今まで、失態の度に絶対に謝罪せず、
逆切れを繰り返すだけの人だった。



その事に、常日頃から腹立ちを感じていた私は、
夫が初めて頭を下げたのを見て、

(夫はなおも逆ギレしていたが)
ふと、心が静まった。



なおも興奮し、逆ギレを続ける夫を、
「一度謝ってくれれば、もうそれで良いから」と、なだめた。



そして、管理会社に電話し、助けを求めた。



「コロナの関係で休日なので、出張料8800円かかります」と言われてしまった。


しかし、腐る物だし、放置は出来ない。



管理会社は、「今、ほかを回っているので、1時間かかります」と言う。



それまでの間、
私は、玄関の床に正座し、0000から9999に向けて、
1つずつ、数字を回してはつまみを回す動作を繰り返した。


夫はその間、私の側にいるのがイヤだったらしく、
車に乗っていなくなった。



しばらく経つと、夫が戻ってきたので、夫と交代した。


ところが、何気なく見ると、私が1000まで来るのに2.30分かかったのに、
夫は、5分で1000から2000に行っているではないか。



「あり得ない!間違えてるよ!数字を1つずつ順番に進めるだけだよ!」と、注意した。


すると、なにやら、やり直した様子だったが…。



また交代し、1600番台まで行ったところで、
管理会社さんが現れてくれ、カギで開けてくれた。




…考えてみれば
先日、夫と一緒に、A4の紙20枚を1枚に貼り合わせ、
1枚の大きな表にする作業をした。


その時、夫は、「のりしろ」部分を考慮せず、
本文だけを切り取っていた。


貼り合わせる段になり、初めて、「のりしろ」の必要に気づいていた…。



そんな10歳児レベルの頭の持ち主が、
宅配ボックスの仕組みを考えもせずに使用する…のは、
当然…なのかも知れない。



そんなレベルの頭の持ち主と知りながら、
つい気を抜いて、
夫に任せた
私がバカだったのだ……。




本日の「煩悩費用」 … 8800円ナリ。



高く、ついた。