すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

煩悩(´。`)【息子】


息子が1人暮らしを始めるに当たり、私が一番心配したのは、
食事だった。


息子は、「超・不器用」なので、息子が自炊している姿を、
まったく想像出来なかったからだ。




一例を挙げると、みかん。


食後のデザートに、みかんをそのまま出す。


すると、「皮をむくのが面倒だから、食べなくて良い」と、
手をつけない。


仕方なく、皮をむいて出すと、食事より先にパクつき、
何個であれ、ペロリと平らげる…。 



このことは
この20数年、何度も何度もチャレンジして来た。


しかし、毎回毎回、同じことが繰り返されて来た。


この冬も、同じだった…。




私が息子にしてみた提案


①カンタン料理の手ほどきを私から受ける。
②毎日でなくても良いから、時々実家に食事に立ち寄る。


2つとも、結局、完全無視された。



出て行って1ヶ月で、
輝くように美しかった息子の顔の肌は、完全にくすんだ。
頬も、げっそりとこけた。





先日、息子は、「余っている鍋とフライパンはないか?」とメールして来た。


「ない」と答えると、その後は何も音沙汰がない。





洗濯は、聞くと、自分でしていると言う。


確かに、息子から、私は使用していない柔軟剤の匂いがプンプンする。


だから、洗濯については、友人から教わったのかも知れない。




しかし、自炊の方は、どうなのか?


ナゾのまま…である…。




たまに突然来た時に、恐る恐るちょっと質問しても、
ウルサさそうな短い答、しかも、「ウソ」しか返って来ない。


だから、尋ねてみても、ムダ…。






(息子は、ブルーレイのハードディスクからダビングするために、突然、現れる。


何の挨拶もなく、無言で、居間に入って来る。


帰る時も、いつの間にか、いなくなる。


最近は、
私と夫が寝静まっている、真夜中や夜明け方に来るようになった。


まるで、忍者…。というより、コソ泥である…。)





先日は、私の誕生日だった。


食事しながらの会話であれば、息子の口もほぐれ、
勤務状況など、何か情報を得られるのでは?と
思い、ダメ元で食事会に誘ってみた。


「当日は行けないが、翌日なら」という返事が来た。



ところが、前日になり、
知事からの自粛要請メールが、大音量と共に届いた。


また、「近距離での食事はハイリスク」という情報も、新たに得た。



それで、泣く泣く、食事会は中止とした。


代わりに、お持帰りを作り、取りに来てもらう事にした。



・牛サガリ焼き肉+野菜炒め
・鶏モモ焼き
・タコ・わかめ酢の物
・長芋・キノコのベーコン炒め
・カボチャ・枝豆・レーズンサラダ
・ニラ・エビの卵焼
・ブロッコリー・ミニトマト
・リンゴ・清見オレンジ


以上を、大きめの使い捨てパックに、たっぷりと詰め込んだ。



それから、


・レトルトご飯・レトルトカレー・みかんジュース・フルーツヨーグルト・お菓子・味付海苔


も、別の袋にタップリ入れた。



来てすぐに持ち帰れるよう、2つの袋を、玄関の上がり口に置いた。



…ふと気がつくと、いつの間にか、袋は消えていた…。



「もらってくよ~」って、
ひと言くらい掛けてくれても良いのにねえ…と、
思わず、夫に愚痴った。


夫は、クールに答えた。
「そういうヤツだ。」





いずれにせよ、
今の息子は、私を、「完全拒否」している。


私は、それを受入れ、息子を忘れよう…と、努めている。





しかし、それでも、
「ビタミン入りゼリー」を大量に買い、息子へ宅配で送ろうと計画中の私である…。


息子は、ゼリーが大好物なのだ。




私の「煩悩」は、つづく … …  (´。`) (´。`)