すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

肝嚢胞

すずめ

前医で、

「慢性膵炎のなりかけです」と

言われていた。






それで、

今回の転医先で、エコーをとった。








前の医師は、

わりとすぐに見終わったが、


今度の医師は、

やたらと時間をかけて、

丁寧に見ている。








「肝臓に嚢胞がありますね」と言うので、

肝臓も

見ていることが分かった。







見終わると、医師は言った。


「肝嚢胞が10個あり、

そのうち1個に

隔壁があります。


この隔壁が

いつできたのか、

変化しているのかが問題です。


隔壁は、

よろしくないものになる

可能性があるからです。


もっと検査しますか?」







私が驚いて、沈黙していると、


「じゃあ、

次回のエコーで変化があったら、

検査しますか」

と言うので、頷いた。








肝嚢胞は、

50代前半の人間ドックで、


「7個あります。

中身は水ですから、全く問題ありません」と

言われた。



フォローが必要だとは

言われなかった。








その人間ドック以前にも、


「肝嚢胞がありますが、

水ですから、問題ありません」


とだけ、言われたことがあった。







しかし、それが、

いったい、いつどこで

言われたのか?


その記憶が消滅している。





肝臓を

見てもらったのではなく、

何かのついでに

見つかったことだけは

記憶している。







しかし、とにかく、

「定期的にチェックせよ」とは

全く言われていない。







だから、受診しても、

医師には伝えて来なかった。








しかし、今の医師は、

「定期的に、フォローすべきだったんだよ」と

私を責める口ぶりだ。







いずれにせよ、

過ぎたことは、どうしようもない。









帰宅後、ネットで調べた。








肝嚢胞自体は

稀なものではない。







しかし、

隔壁ができるのは、稀らしい。







その中に、

癌に発展する例があるので、

隔壁が見つかれば、

CTとMRIで調べるのが

普通らしい。







ふと、

「癌で死ぬのは、

死に方としては悪くない死に方。

比較的

ラクな死に方だ」と

医師の書いた本に

書かれてあったことを思い出した。








肝臓癌の症状を調べると、

「口も利きたくないほどの

異常なだるさ」とある。








肝臓癌(肺へ転移)で亡くなった

渥美清が

晩年、「寅さん」に出演したが、

撮影中、周囲に、

「自分に挨拶しないでほしい。

返すのが大変だから」と

頼んでいたそうだ。








今回エコーを撮った日に、

帯状疱疹予防ワクチン(シングリックス)も

接種したのだが、

丸1日以上、

異常なだるさに襲われた。







発熱しなかったのが不幸中の幸いだったが、

だるいのも

実に辛いことを、

改めて実感した。








「挨拶するのも辛い」状態を

想像すると、

ゾッとする。








その肝臓癌におびえつつ

数ヶ月を過ごすのも

憂鬱だ。







やはり、

すぐに

CTとMRIで調べてもらおうか……