すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

引っ越しで、またまた夫にアキレる。

すずめ

また、引っ越しをした。




 




引っ越して3日目、

私は食事を作った。







家じゅうに

段ボール箱が山と積まれ、

ごった返す大混乱の中、


ぐっちゃぐちゃの台所で、

無理矢理、作った。







コンビニの食べ物に飽きて、

どうしても、

まともな物が

食べたくなったのだ。

 








前日の夜、寝る前に

夫が言った。


「明日、役所へ行って、

転入届等を出す。」

 




私は、「エッ?」と思った。





役所までは

距離があるから、

半日仕事になるだろう。







調べてみると、

「転入届は2週間以内でOK」だと

分かった。

 






今の私は、

ごった返して大混乱の家の中で、

ウンザリのまっただ中にいる。







食事ひとつ作るのも、

悪戦苦闘・四苦八苦の連続だ。






そもそも、

この家の台所の

調理台も

収納も狭く、

とても使いにくいのだ。






使いやすくするためには、

相当の改善(調理台と収納の新設)が

必要だ。

 






それなのに、

なぜ、

今すぐ、

急がない届を出すために、

半日を潰す必要が

あるのだろう?

 






翌朝、私は夫に抗議した。



「今日じゃなくて、

もっと落ち着いてからにしてほしい。」






夫は、ムッとしつつも、了承した。

 







私は、内心、モーレツに腹が立った。









夫は、早朝から、

自分の本を

段ボールから出して

本棚に詰め込む作業に

夢中だ。

 







一方、私は、

生活に必須な

あれこれを整えようと

必死だ。

 







しかし、夫は、

本以外には完全に無関心で、

私を

これっぽっちも

手伝おうとしない。








子ども部屋のオモチャを

並べるのに夢中で、

親が

必死に生活を整えようと

闘っていることに

全く気づかない子どもと

同じだ。

 







クソガキ亭主め!






私は、

内心、思い切り毒づいた。

 







あるノーベル賞学者は、

駅で切符が買えないそうだ。





奥様が、

何から何まで

面倒を見ているそうだ。

 






しかし、その方は、

「ノーベル賞」だ。







私の夫は、タダの凡人、

しかも、ビンボー人だ。






私だって、

夫がノーベル賞なら、

いろいろ

サポートするだろう。

 






私の夫は、凡人なだけではない。





とんでもなく不器用で、

プライドだけが

妙に高く、

扱いが面倒くさいのだ。

 








次の日、

私は、洗濯を思い立った。






湿度が高いから、

出来れば、

部屋干しではなく、

外干しをしたい。

 





ところが、

物干し竿受けが、

かなり汚れている。






私は夫に、

古タオルを渡し、

「これで、キレイに拭いて」と

頼んだ。







ベランダに出た夫は、

「汚れがこびりついていて、取れないわ」

と言った。







夫が手にしている古タオルを

見ると、

どうも、乾いたままのように

見える。






私はベランダに出て、

古タオルを取り、

水で濡らした後、

「もう一度拭いて」と

夫に渡した。







今度は、キレイになった。

 







これがもし、

ヨソのダンナなら、

私は

呆れ果てて、

人に

まくし立てるだろう。





「あそこのご主人、

奥さんがよっぽど

甘やかしているんですよ。


汚れを拭くのに、

タオルを濡らさないで拭いて、

『こびりついて取れない』って、

言ったんですよお。


ホント、信じられませんよお。」








ところが、彼は、

ヨソのダンナではなく、

自分の夫なのだ。

 








書かずにいられないほど、

アキレたことは、

まだまだ

沢山ある。








ありすぎて書けないし、

今は、

書く時間もない。

 







私は、内心、

グッと歯を食いしばる。





(私は顎関節症で、

実際は、歯を食いしばれない。

だから、

あくまで内心で食いしばる。)







そして、

こんな夫を選んだ

私自身を

罵り倒し、

深いため息をつく……。