すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

沈みゆく船

「なるべく早く、賃貸に引っ越す案」は、潰れた。


夫が、「夫の本の1/3~1/2を処分する」案に対し、ものすごく不機嫌になり、
神経過敏な私が、その不機嫌に耐えられなくなった…からだ…。



しかし、「この持ち家に住み続ける」=「沈みゆく船に最後まで乗る」だと、
日を追うにつれ、ますますハッキリして来た…。



我が家で一番広い部屋は、夫の巨大な本棚5つが占拠している。

本棚は、二重構造で、ガラス戸付きだ。
一応、天井への突っ張り棒を使い、地震対策はしている。


しかし、その部屋に入り、本棚に近づくと、私には、「今、大きな地震が起きたら?」という恐怖が湧く。
だから、私は、なるべく本棚群には近づかない。


それを、夫に言うと、夫は、こう答えた。

「俺は、本に埋もれて死ぬなら、本望だ。」 


この、「夫の異常な本への執着」が、この家を去ることを困難にしている。




私自身は、夫と「別居」でも良いと思っている。


しかし、「別居」を実現するためには、年金額がもう少し必要だ…。



どーすれば、いいんだろー ❔ ❔



別居を強行し、今より更にビンボー生活になり、今の家のもたらすストレスから解放されるか❔

それとも、今の家の問題から無理矢理に眼をそらし、何も見なかった、知らなかったことにして、ぬるま湯に安穏と浸り続け、気づいたら、冷たい水風呂から出られない老後を迎えるべきか ❔


しかし、私の性格からして、「この家の大きなマイナス面から眼をそらし続ける」なんて、出来っこないのである。


今抱えているストレス・苛立ち・怒りが、周期的に襲って来て、私を苦しめるのに決まっている…。


その度に、夫を責め、衝突するに決まっている…。



たとえば、あと10年後…。


ここから逃げ出すのは、その時でも、まだ間に合うのだろうか… ❔ ❔


しかし、10年後には、この家の価値も下落し、もう十分な資金源とはならないだろう…。



とにかく、夫には、「長期的展望」が欠けている。
何の見通しもなく、目先の欲望で、物事の決断をするのだ。
【通常、これを、「愚か」と呼ぶ】



この家を買う時も、私は、
「広すぎる。しばらく賃貸に入り、もっと手頃な家を買おう」と、提案した。


すると、夫は
「俺は、そんな根無し草の生活はイヤだ~ ❕ 」と、わめいた。


当時はまだ、私は、自己主張が出来なかった。


そのため、「コイツの説得はムリだ」と判断し、仕方なく、従った…。


その結果が、コレである。


やっぱり、この物件は、私たちには適していなかった…。



もう、愚かな夫に従うのは、やめよう。
自分でシッカリ判断しよう。
それが、私の得た教訓である。


しかし、もう、手遅れなのだろうか ❔ ❔


私の人生は、こんなもん なのか ❔ ❔

愚かな夫の愚かな判断に、身をゆだね、翻弄されるだけなのか 
❔❕