映画「PERFECT DAYS」
映画「PERFECT DAYS」を、
アマプラで見た。
見終わって、
なにか、
物足りなさが残った。
一夜明け、
主演の役所広司に
物足りなさを感じたのだと
気づいた。
役所広司だと、
健康的すぎて、
陰が感じられないのだ。
映画の前半の淡淡とした、
むしろ
明るい肉体労働の日々の描写と、
後半の
激しい感情の起伏のドラマ・
解き明かされる過去の心の暗部が、
バラバラになってしまい、
つながらないのだ。
「一流俳優である役所広司の
HAPPYで満ち足りた日常生活」が、
彼の表情に、
透けて見えて来てしまうのだ。
体格も、立派すぎる。
朝は缶コーヒー1本、
昼はサンドイッチと牛乳、
夜は居酒屋風の安食堂。
そんな食事が毎日なら、
もっと
不健康に
痩せているのでは?……
もっと、危うい、もろい感じ、
すこし不健康そうな感じ、
陰のある人……。
それでいて、生一本で。
60歳頃の寺尾聰を想起したが、
どうも、
飄々とし過ぎている。
ChatGPTに、
聞いてみたら、
「國村隼と中井貴一の中間」と
答えてきた。
その答えに触発され、
私は、
ひらめいた。
そうだ!
高倉健の60代だ!
彼なら、
妹と再会後に、独り泣くシーン、
運転しながら
泣き笑いするラストシーン、
すべて、
役所広司より、
ずっとずっと、
詩的に演じられる。
高倉健なら、
すべてのシーンが、
役所広司より
ずっと陰翳に富み、
しかも、
物語全体が
あざやかに立ち上がる。
私は昔々、
高倉健が苦手だった。
ヤクザ映画の
暴力シーンが、
極端に
苦手だったせいで、
「高倉健=暴力的=苦手」になってしまった。
しかし、本当は、
すごい俳優だったのだなあ……。
役所広司は、
この役で、
カンヌの男優賞を獲ったはずだ。
高倉健なら、
もっともっと、
凄い映画になったのに……。
残念だ。