すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

クラスター被害の2例

ネットで見聞きして気になったコロナのクラスター被害2件を、
以下にまとめておきたい。



◆小田原市立病院の院内感染(34人)


【医師による分析】

…コロナ疑いの患者は、まず個室に入院させる。

しかし、PCR検査が陰性で症状も軽快したので、
6人部屋へ移し、その後、退院させた患者がいた。


(次の患者を入れるため、個室を空ける必要があった。)


ところが、退院させた後で、
その人の症状が悪化し、PCR検査も陽性となった。

一方、その人を入れていた大部屋の5人の感染も判明した。

つまり、PCR検査の精度は7~8割。
2~3割は、感染しているのに陰性と出る「偽陰性」となる。

けれど、PCRの結果を過信してしまい、
大部屋に移した結果、集団感染が発生した


コロナ治療では、
PCRだけではなく、もっと多角的で慎重な判断が必要だとわかった。



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…これは、どの病院でも起こりうる話だろう。


要するに、
コロナ患者・コロナ疑い患者は、辛抱強く隔離することが必要なのだ。

そのためには、十分な個室数が必要。

つまり、
「コロナ患者のための十分な施設」を用意出来れば、
そのための工夫や資金投入が出来れば、
院内感染を抑制し得る。



結局は、国や自治体が、おカネをどう使うか、
どの程度コロナに備えるか…が
人命を左右するのだ。




◆北海道最大のクラスターが発生した「茨戸アカシアハイツ」 (札幌市内の老健施設)


当初の入所者は約100人。


入所者の感染は71人。


6/4現在、死者16人。うち、11人が施設内で死亡。


6/5現在、入所者40人。うち、陽性者15人。



施設内での死者が増加し、札幌市が対策に本腰を入れ始めるまで、
入所者は入院出来ずに施設内で次々に死亡した。



スタッフからも感染者が多く発生し、人手不足となり、
入浴は不可能、食事も1日2回に減らされた。


施設内では、陽性者と陰性者を分けたが、
認知症者が双方ゾーンを徘徊した。



施設内で死亡した男性の息子さんの話

「入院させてもらえていたら、同じ亡くなったにせよ、
今の感情とは違っていただろうと思う。」

つまり、入院ができず、十分な医療を受けられずに死亡したため、
遺族が納得出来ない。


無念さと恨みが残り、悔しくてならない様子が映像から伝わってきた…。



日本の現状では、重症者は病院に収容され、十分な医療を受けるのが普通だ。


入院を希望したのに、
それがかなわずに亡くなった場合、
「見殺しにされた」という気持ちになるのは、自然とも言える。



一方で、
「施設から病院へ移ると、環境が急変する。
そのために、高齢者は認知症が一気に進み、病院側が対応困難になる場合がある。
それを恐れ、病院側は高齢者の入院をなかなか受け入れない」という現実もある。



もしこれが、他人事なら…、
「80歳以上は、すでに十分に長生きをした。

だから、コロナで入院できずに亡くなったとしても、
不運なだけ。仕方ない」と、済ますことも出来るかも知れない。



しかし、それが「自分の親」、または「自分自身」ならば…
どうか?


それで、本当に納得が出来るだろうか?



私がもし、当事者ならば…
やはり悔しく、納得出来ないかも知れない…。

もし最初から、認知症ならば、諦められるかも知れない。


しかし、認知症ではなく、
かなりしっかりしている場合ならば、非常に悔しいはずだ…。




(※老健施設は、個室が多い施設と、そうでない施設がある。

茨戸アカシアハイツは、後者で、2人部屋と4人部屋。
そのため、感染が広がりやすかった。

しかし、入所費用に差があるため、個室のない施設も需要が多い。)


結局は、「地獄の沙汰も金次第」 … なのか?