すずめの歌

夫と2人暮らしの日々

母の転倒・骨折・手術

母が、
老人ホームの居室で、
転倒・骨折し、入院した。





土曜日の午後、
これから入浴に行く準備を自分で調え、


「さぁ、用意出来た」と、
くるりと後ろを振り向いた途端、


バランスを崩し、
仰向けにひっくり返り、
頭も打ったそうだ。




幸い、
頭は異常なしだったが、
右の股関節部分の大腿骨が
折れた。





99歳、
しかも
土曜の午後である。




救急車内で、
すぐには搬送先が決まらなかったらしい。




しかし、
24時間365日「断らない救急センター」を

開設している病院が
受入れてくれた。





今日、これから手術だ。





コロナのため、
術後の医師から家族への説明も、
本人への面会も、

無し。





私は、
家で、
「手術終了」報告電話を

待つしかない。





ただ、
医師に呼び出され、

直接説明を受け、
手術を含む「治療説明同意書」に、
サインをした。





手術自体をクリアーしても、
術後の肺炎・エコノミークラス症候群などにより、
入院中の死が1%、

起こりうる…
との事だった。





また、
「この骨折では、
術後も、

1年以内に10~15%が亡くなる」そうだ。






「術前の移動能力に回復出来るのは、半数以下」とも
書かれている。






3年前、
母は
今回同様、

自室で転倒し、
左側の同じ部位を骨折した。





最初に、
「釘で留める手術」を受けた。




しかし、
リハビリ病院に移って2週間位で、
痛みを訴えた。



レントゲンを撮ると、
骨粗しょう症のため、
釘が上にズレており、
再手術となり、
「人工股関節」となった。





この経緯を医師に話したが、
やはり、
今回も、
まずは「釘で留める手術」を

するそうだ。




それで、ダメなら、
再手術して

「人工股関節」だそうだ。





酷な話である。





前回は、
母は、96歳だった。




それでも、
「車椅子にはなりたくない。
前のように

歩行器で歩きたい」と、
強い意志を示した。




そして、
頑張って、

元通り、
歩行器で歩けるようになった。





しかし、
3年経ち、
母は、更に老けている。




今回も
母は、
3年前のように、
驚異的な意志の強さを

発揮するのだろうか?





母には、
救急センターでしか会っておらず、
その後は

面会禁止となってしまったので、
その後の様子が分らない。





本人が携帯を持っていれば、
電話で話せるようだが、
持っていない。





だから、
こちらから手紙を送るしか、

通信手段がない。





「がんばってね」と、
速達で手紙を送ったが、

本人は、
どう思っているか…?





老人ホームのケアマネさんは、


「まだまだ、強い気力をお持ちです。
きっと、
今回も乗り越えてくれると、

自分は信じています」と
言ってくれたが…。





さて、
どうなるのだろうか … 。





麻酔科の医師も
電話をくれた。



「本来は、面談し、
承諾書を頂きますが、
電話に代えます。


前回の2回が大丈夫だったのであれば、


どこの病院でも同じような薬を使いますので、
おそらく、

今回も、大丈夫でしょう」
との事だった。




その、のんびりと落ち着き払った声を聞き、
私の動揺も、

少しおさまった。




しかし、いざ
手術直前となると、
「とりあえず、死なないように!」と
ハラハラと
祈っている私がいる…。