夫の本妻?
突如、引越し話が浮上した。
今の家の抱える問題点に翻弄され、私と夫は、ウンザリした。
そして、
「もう、持ち家はこりごりだ。これからは、賃貸に住もう」という結論に達したのだ。
しかし、「下流」の我が家の引越し先は、
今の、2/3の広さを選ぶしかない。
今、夫は、一番広い部屋に、巨大な本棚を5つ置いている。
本は、そこからも、あふれている。
夫に、思い切って頼んだ。
「2/3の面積になるんだから、物も2/3に減らすしかないよ。
収納庫も今よりかなり減るから、本は、半分に減らしてね。」
夫は、みるみる、顔をこわばらせた。
ぷりぷり怒っている。
「本は、我が子同然だ。」
とも、つぶやいた。
私は、呆れた。
えーっ? だって、自分も、あの物件が良さそうだって、面積も確認したよね?
家が2/3になるから、私は、余計な物は捨てるしかないと覚悟したよ。
なのに、アンタは、
あの場所ふさぎなだけの本が、無傷のままで済むと思ってたの ?!
アタマ、悪いんじゃーない ?!
第一、1冊1冊、読み込んで、自分を形作ってきた、愛着ある本ならば、「我が子」と呼んでも良いさー。
だけど、ほとんどは、単なる「見栄」で買った本で、今までも、これからも、絶対に読まない本じゃないの!
それを、「我が子」だとォー ❕
ふざけるなー ❕
バッカヤロー ❕
私は、叫びたかった…。
しかし、
私は、叫ばなかった。
…バカな私は、逆に、譲歩してしまった…。
「じゃー、もっと不便な所に引っ越して、安くて広い物件にするかい?」
すると、夫は、「いや、まず、この家の査定額が出てから考える」
と答えた。
はぁー 💨 💨
あの「本の山」を買ったために、ウチはビンボーになった。
あの「本の山」を飾っておくために、ムダに広い家を買い、更にビンボーになった。
それなのに、夫は、まだ、あの「本の山」に固執している…。
結局、夫が結婚している相手は、「私」ではないのかも知れない。
最愛の相手は、あの「本の山」なのかも知れない…。
絶対に、別れたくないのかも知れない…。
あの「本の山」を守るためなら、私に、いくら不便をかけよーが、平気なのかも知れない…。
夫の「本妻」は、「本」なのか ?!
私は、単に「便利な家政婦」なのか ?!
今後、夫が、私よりも、「本の山」を優先させたならば、
私は、夫を心底、憎むだろう。
あー、お金さえあればなー
即、別居してやるー ❕ ❕